めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

教育歴と収入が配偶者死亡後の死亡リスクにどう影響するか

古い論文だけど読んだのでデータベースとして。著者らは教育歴の高いことや収入が高いことが死亡リスクを減らすというんですが、うーん・・・そんなに減っているようにも・・・・。しかも男女および年齢別にすると一律の傾向ともいえない・・・。

Do education and income buffer the effects of death of spouse on mortality?
www.ncbi.nlm.nih.gov

感染症入院後の自殺リスク

感染症で入院したあとに自殺リスクが増えるというお話。自殺者だけで見ていて、過去に感染症による入院がある人でリスクが増加。特にHIVまたはAIDSの人で高い。感染症の種類が増えるほど自殺リスクも増えて、治療後の日時が経過するとリスクが増えて、そのリスクは2年後が最大、その後徐々に収束に向かうけど、以前7年以上でもリスクの上昇は見られる感じです。

A Nationwide Cohort Study of the Association Between Hospitalization With Infection and Risk of Death by Suicide.
www.ncbi.nlm.nih.gov

加入保険形態別の受療頻度

アメリカの、プライベート医療保険、Medicaid(低所得者向け)、無保険の加入者別に、Low valueな治療、High valueな治療の受療がどの程度あったか、またその程度は医者の種別(Medicaidや無保険者を中心に治療している医者か、そうでないか)によって異なるかを検討した研究。

データをぱっと見ると、Low valueに保険の種別による差がなくて、High valueは無保険の人が多い感じなんですが、これ、本文の結論とアブストの結論といってること違うんですよね・・・・。あとLow とHighが何による違いなのかがよくわからない・・・・。命に直結するかどうか、の高低なのか、単に金額上の高低なのか・・・・。治療内容的にはLowに検査っぽいのが多く含まれていて、Highには投薬が多く含まれてる感じなので、命に直結するかどうかのような気もしますが・・・・。まあ命に直結するかだとして、個人的にはMedicaidと無保険の群はLow valueが少なくて、High valueがあがるかなーと思ったんですが、Lowはどの群でも変わらず、無保険者だけHighが多いというなんとも解釈しがたい結果に・・・・。

しかし、この人たち、アブストの結論では「Overuse of low-value care is common among patients without insurance or with Medicaid. Rates of low-value and high-value care were similar among physicians serving vulnerable patients and other physicians. Overuse of low-value care is a potentially important focus for state Medicaid programs and safety-net institutions to pursue cost savings and improved quality of health care delivery.」→「Low valueケアは無保険者とMedicaid利用者で多く、医者の種別には違いはなかった。コストを抑え、ケアの質を改善するためにはLow valueケアの使いすぎにフォーカスを当てることが重要である。」ってことなんですが・・・・。いや、結果と違うし・・・。

Key pointのFindingsは「Findings Analyses of nationally representative survey data from 2005 to 2013 show that low-value care was delivered in nearly 1 in 5 visits, with no overall difference between Medicaid or uninsured patients vs privately insured patients. Rates of low-value care were similar between safety-net physicians and non–safety-net physicians.」で、保険種別や医者の種別でLow valueケアの利用に差がないっていってるんですけどね・・・・?

本文の結論は「We found that rates of low-value care were similar among patients with Medicaid, no insurance, or private insurance coverage, and between physicians serving high and low proportions of uninsured and Medicaid patients. Our results appear to be driven more by patient factors than the quality of care delivered by safety-net physicians, whose rates of low-value care were similar to other physicians. These results show that in addition to improving underuse of high-value care, overuse of low-value care is a potentially important focus for state Medicaid programs and safety-net institutions to pursue cost-savings and improved quality.」で、Low valueケアは保険者や医者の種別で差がなかった。この結果は医者の種別ではなく患者要因に今後焦点を当てるべきということなのかもしれない。High valueケアの少ない利用と、Low valueケアの行き過ぎた利用に焦点を当てることは、アメリカのMedicaidプログラムやセーフティーネットとなっている医師のコスト削減や質の改善に重要である」

っていう感じなんですけど・・・・。んー?

とりえあず結果だけ見ると、無保険者のHigh value使用が多いので、これがなんでなのか個別の治療を見て解明していくのがいいんじゃないかなあと思いました。

Low-Value Medical Services in the Safety-Net Population.
www.ncbi.nlm.nih.gov

PTSDに対する心理療法

軍人を対象に、PTSD心理療法の効果を比較した研究。ほんと、心理療法って詳しくないから調べないと該当論文のメソドだけじゃ何やってるか全然わかりませんね・・・・。

今回は短期集中の持続曝露療法(2週間に10回、トラウマについて繰り返し触れる作業を繰り返し治療者と話し合ってトラウマを乗り越える:massed therapy)、間隔を開けた持続曝露療法(Massed therapyが2週間10回に対して、8週間に10回同様の心理療法を行う:Spaced therapy)、通常の心理療法(→トラウマ体験にあまり触れない:PCT)、セラピストとの電話(MCC)の効果を比較しています。

仮説はMCC<PCT<Mass=Spaceだったみたいですが、結果としては、MCC<massed therapy=Spaced therapy=PCTだったようで、それでも期間が短い分、Massedでもいいかもしれないというのが今回の論文です。とはいえ、一般集団に比較してPTSDの症状スコアの改善幅が少なかったようなのですが、それはSpacedでもPCTでも同様で、軍人のスコア改善幅は一般集団より狭いようなので、このMassed特異的なものではない模様。個人にあうかあわないかというのも細かく見ればあると思ういますし、今回は対象が少ないのか重症度や罹患期間によっての解析がなされていないので、細かい部分はこれからだとは思いますが、改善が他と大して変わらない、コントロールになっているMCCよりも優れている、他の心理療法より短期間で行うことができる、ドロップアウトもSpacedよりも低かったとなると、これからはこの短期集中の持続曝露療法が中心になってくるかもしれません。

Effect of Prolonged Exposure Therapy Delivered Over 2 Weeks vs 8 Weeks vs Present-Centered Therapy on PTSD Symptom Severity in Military Personnel
A Randomized Clinical Trial

www.ncbi.nlm.nih.gov

日本語要約はこちら。
www.medicalonline.jp

持続曝露療法はこっちが詳しいかな。
yomidr.yomiuri.co.jp

金先生の治療者用マニュアルはこちら(PDF)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000115165.pdf

オリンピックを見たいのだけれども

今日の良かったこと
・欲しかった豆菓子が美味しくて困る。
・食洗機順調です。楽だー。

下僕は辛いよ
・姫の便秘がなかなか解消しない。薬増やすとすぐ下痢になって大変だからなかなか量の判断が難しい。
・やっぱりこの時期色々辛い。ちょっとこのあいだの出張から先浮上しなくて困ってます。
・なんかダメだなーと思ったら、夜な夜なオリンピックのノルディック系競技を見るというシュチュエーションがダメっぽい。見たいんだけどー。

お日様大好きにゃん。

運動と認知機能低下

ステマティックレビューなんですが、意外と研究少なくてわかってなかった・・・・。根拠不十分が多いですね、認知機能関連のレビュー。とはいえ、介入研究のレビューなので、運動習慣のコホートとかに限ってみたらまた結果は代わるんじゃないかと思いますし、どの介入も期間が短いのでそんなに短期間で認知機能が改善するか!という話でもあるので、長期影響についてはこれだけさらっと読んだだけではそのあたりはちょっとわからない。

Physical Activity Interventions in Preventing Cognitive Decline and Alzheimer-Type Dementia: A Systematic Review.
www.ncbi.nlm.nih.gov

LDLコレステロール低下薬と認知機能

改善しませんでしたーって論文なんですけど、認知機能を評価するバッテリーがよくなかったんじゃないかとか色々書いてありました。認知機能とかって評価が難しい(よく使われるMMSEとかはなかなか得点が上下しないとか、他のバッテリーも時間がかかったりとか、大規模集団の評価に向かない)ので、なんか認知機能低下防止の薬とともに、手っ取り早く評価する指標も開発されるといいのになーとか思いながら読みました。


Cognitive Function in a Randomized Trial of Evolocumab.
www.ncbi.nlm.nih.gov