めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

フットボール選手のタウ沈着

神経症状がある元NFLフットボール選手とコントロールの対照を比べたら、外傷を受けた脳部位でタウの沈着が元NFL選手で多かったというお話。ベースライン特性のところみると、元NFL選手の方が対照に比べて平均年齢が若いのに、MMSE得点の平均スコアが2点も違うんですよね。MMSEってなかなか得点差が出にくい測定指標だけど、2点も違うってすごいよ・・・。やっぱりフットボールとか接触の多いスポーツは外傷で脳やられる危険が高いんだなあ・・・と改めて思ったベースラインの数値です。タウ蓄積と、MMSEとかの数値には関連がなかったっぽいのではあるが・・・。

ちなみに、アミロイドβの沈着は特に2群で差がなかったようで、どうも脳の神経損傷とかそういう部分にはタウが結構影響を及ぼしているんじゃないか、って論調なんですが・・・。個人的にはこの研究、対照の置き方が難しいなあと思いながら読んでました。完全にフットボールやってない人を対照に持ってくるだけでいいんだろうか。フットボールやってたけど、脳に重大な損傷しなかった人も対照として別の群として持ってきた方がいいんじゃないだろうか、とか思いました。

あとは、そもそも選手の将来の保証としてNFLがこういう研究に助力するのはそうなんだけど、交通事故とかの方もやって結果出せるとまた色々研究が進むんじゃないかなあと思いました。

Tau Positron-Emission Tomography in Former National Football League Players.
www.ncbi.nlm.nih.gov

www.nejm.jp

HbA1Cの人種差

同じHbA1Cであっても、血糖レベルが黒人と白人で違った(黒人の方が低い)というお話。ってことは、アジア人も変わってくるのでは・・・。基準がみんな一律でいいのかっていう話になってくるのでは・・・と思ったのですが、別にそこまで突っ込んで書かれておらず・・・。

Racial Differences in the Relationship of Glucose Concentrations and Hemoglobin A1c Levels.
www.ncbi.nlm.nih.gov

若年時の健康的な心疾患スコアとその後のCVD発生

健康的なライフスタイルをスコア化してそのスコアが妥当か見る研究です。このスコアのやつってはやり廃りというか、よく出てくる時期とかありますよねー。今回は若年に絞ってるからJAMA Internalとか載ったのかなー。スコアに取り入れられているのは、年齢、喫煙、BMI、飲酒、運動、食物繊維摂取、果物野菜摂取、ナッツの摂取、砂糖類摂取、赤肉加工肉摂取、なのですが、個人的にはこのスコア化ってこういう1つ1つのリスクを無理矢理全部一緒にしているように見えて、その影響の度合いってみんな一律じゃないんじゃないの・・・・?と思うのであまり好みではないです。今回は特に、何点以上だとどれくらいリスクが上がる・・・・とかいうことはやってないみたいで、単にアセスメントツールとして、若年期のスコアが中年期のリスクを予測するよーって話にもっていって新規性出してる感じで、うーん・・・・?という気がしています。

Application of a Lifestyle-Based Tool to Estimate Premature Cardiovascular Disease Events in Young Adults: The Coronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA) Study.
www.ncbi.nlm.nih.gov

コレット

なんでこんな男がよかったのかなあ・・・と思うけど、そんな男と結婚してもなおその才能を開花させちゃった、むしろそんな男と結婚したからこそ才能が開花しちゃった、シドニー=ガブリエル・コレットのお話。なんかレイトショーがらがらで、貸し切りかも!と思ったら、1名がさごそうるさいおばさまが入ってきて、貸し切りにはなりませんでした・・・。残念。しかしガサゴソうるさかった・・・。

eiga.com

ja.wikipedia.org

不活発は認知症発症リスクになるか

メタアナ。不活発だと認知症になりやすいと言われているけど、認知症まで断定できなくてもそれっぽい症状が出ることで不活発になってその後認知症が発症することにより、見かけ上不活発な人の認知症発症リスクが上がるっていう因果の逆転をなくすために、10年以内の発症と10年後以降の発症と分けて解析しています。どうやら対象は欧米だけみたい。

10年以内の発症はやっぱり認知症のリスクが上がっているんだけど、10年以降の解析だけ見ると別に発症リスクは上がっていない。一方で、循環器疾患はどちらも発症リスクが上がっているので、どうも不活発なだけでは認知症のリスクが上がると言うことはなさそう、そして、認知症の前に心血管代謝疾患を発症した人では認知症リスク上昇の傾向が見られたそうで、なんか個人的な印象としては、結局血管詰まることが認知症リスク何じゃあ・・・と思いました。あ、ただこの研究では。不活発は身体活動全般から出しているっぽいので、前から言われているウォーキングは認知症リスクを下げるという話(つまり特定の運動週間が認知症の発症を予防するかもという話)は否定されるかというとちょっとそれはわからないなーと思いました。

Physical inactivity, cardiometabolic disease, and risk of dementia: an individual-participant meta-analysis.
www.ncbi.nlm.nih.gov

「不活発だと認知症になりやすい」わけではない?
www.medicalonline.jp

グルコサミンをとっていると循環器疾患の予防になる?

グルコサミンに含まれる抗炎症作用のある物質が、アテローム動脈硬化を防ぐ作用があることが動物実験で報告されているようで、じゃあコホートで解析してみるかーってUKバイオバンクの対象46万人でやってみましたーって研究です。結構色々まんべんなくCVDは下がっているんですが、Strokeだけなんかぱっとしないんですよね。数の問題かなあとは思うのですが。

グルコサミンってあんまり気にとめていなかったけど、関節疾患系のRCTついでに循環器疾患イベントだけ再解析って言う研究とかでてきそう。

Association of habitual glucosamine use with risk of cardiovascular disease: prospective study in UK Biobank.
www.ncbi.nlm.nih.gov

トランスジェンダーの乳がん罹患リスク

オランダ・アムステルダムジェンダークリニックで、ホルモン治療を受けているトランスジェンダーの患者を対象にした後ろ向きコホート。対象人数は、トランス女性2260人、トランス男性1229人。 発症率はトランス女性もトランス男性も、シス男性より高く、シス女性より低い。うん、なんとなく結果としてはわかる・・・。それより何より、こういことができるオランダがすごい。まあ続々他の国から続報は出てきそうではあるのですが。

Breast cancer risk in transgender people receiving hormone treatment: nationwide cohort study in the Netherlands.
www.ncbi.nlm.nih.gov