めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

妊娠前の栄養状態が産児の性に関わる??

5号館のつぶやきさんで言及されていたので、気になって読んでみました*1
IF3点位のところの雑誌で、疫学関連ではないっぽい。


著者らの結論としては妊娠前のエネルギー摂取量の
最大3分位群で男児を産む*2母親が56%で
最低3分位群で男児を産む母親が45%だったそうな。
妊娠中の栄養状態は関連なしとのこと。
で、シリアルを毎日とっていた人で週1回以下の人で
男児を産む人が1.83倍いたということ。


調査方法としては、妊娠14週前後の、
初回妊婦検診を受けた初産妊婦さん700人くらいを連れてきて
妊娠前、妊娠初期、28週の食事調査をしています。
一応調査段階ではお腹の子の性別はわかっていないとのこと。
まぁ性別がわかった後で調査しているわけではないので
症例対照でもないし、この研究デザイン何になるんだろう??
調査時点の食事調査だけだったら前向きなんですが・・・・。
コホート内症例対照研究か??単なる横断研究でもないし・・・。


微妙な研究デザインなので、統計解析がこれでいいのか
統計に疎い私には何とも言えません。
が、何も補正していないっていいのかなぁ。
生まれてくる子の性決定要因がよくわかっていないのであれば、
とりあえず栄養摂取に関連するような要因を補正するべきなのでは。
ざっと挙げただけでも、年齢、体重(またはBMI)、社会階層、運動量等。


これって被験者数も少ないし、単にChanceだけなのかもしれません。
オッズ比や多変量補正の解析結果出してないところを見ると、
有意ではなかったのかな?
特に133項目も調査して、有意だったのがシリアルだけって
そりゃ、単なる偶然の可能性ありありですよ・・・・*3
だってP<0.05なのであれば、100個検定すれば5個は有意に出てくるわけですから。


私だったら、とりあえずカロリー摂取を3分位または4分位に分けて
最低群を基準として男児を産むオッズ比出しますねぇ。
で、カロリー摂取量を連続変量として投入して、P for trend出しますけど。
もちろん、年齢、BMI、運動量、仕事、教育歴、婚姻状態、喫煙、飲酒・・・
くらいは補正して、単変量と多変量の結果両方出すな。
基本特性でトータルカロリーとかの表は出るし。
あとこの調査の弱いところは、妊娠前の調査が思い出しなんですよね。
結構バイアスかかると思います。
できるなら、妊娠前に調査を行うのがいいんですが。
そうすると妊娠しない人もいるかもしれないし、難しいのかなぁ。


疫学系の雑誌ではないので、いつも読んでいる論文とは違って
結構読みにくかったです。
先行研究少なそうだし、メカニズムや背景としても面白い話なので
もう少しかっちりとしたデザインと解析でやれば
そこそこいい疫学雑誌に載る気もするのですが。
現に先行研究はBMJのってるっぽいし。
ラストオーサーが公衆衛生系の人なのになぁ。

*1:知り合いが多数読むブログなのでトラバなしですみません・・・このブログはリアルの人には知られたくない〜

*2:ざらっと目を通しただけなので「産んだ」のか「お中にいるのは」なのかは不明

*3:オッズ比自体は大きいですが