めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

理系白書 この国を静かに支える人たち

理系白書 この国を静かに支える人たち (講談社文庫)

理系白書 この国を静かに支える人たち (講談社文庫)

第1章 文系の王国
第2章 権利に目覚めた技術者たち
第3章 博士ってなに?
第4章 教育の現場から
第5章 理系カルチャー
第6章 女性研究者
第7章 失敗に学ぶ
第8章 変革を迫られる研究機関
第9章 研究とカネ
第10章 独創の方程式
第11章 文理融合


毎日新聞の連載「理系白書」をまとめたもの。
ちょっとずつ読もうと思っていましたが、結局一気に読了。
ここ数か月余りネットの活字で満足をしていた生活を送っていましたが
「やっぱり本!!」と、一気に中毒症状が悪化か?(苦笑)
ま、純粋に面白い本だったんだと思いますが。
というか力作です。
アマゾンのレビューにも文系の人の声がありましたが
理系のみならず文系の方もぜひ。というか文系の方こそぜひ。


色々思うことはあるのですが、博士の就職難の話もあったので
そこについていつも私が思っていることを少々。


博士の「コミュニケーション能力」が足りないとよく言われますが
研究室って一つの中小企業だと思うんです。
研究室によって形態は様々かと思うんですけど、
教授=社長、教官=常務・専務、ポスドク・院生=中間管理職
みたいに思うんですよね、基本的に。
後輩の指導や面倒を見つつ、研究こなしつつ、上司との意思疎通もしつつ
っていう院生って、まさに中間管理職。
だから後輩や上司とのやり取りの中でコミュニケーション能力って
十分養われるんじゃないの?と思います。
よく養える場がないって聞きますけど、一人で研究やってたとしても
研究室在籍者が一人であることはないですよねぇ。
だから、「養う場がない」っていうのは気がついてないだけじゃないのか?
と時々思うんです。
まぁ「研究」という部分では、人間を相手にする臨床研究だったり、
機械相手だったり菌やらウイルスやら細胞やら相手だったり
それぞれ違いはあるので、
「対人」のコミュニケーション能力が養われる分野は限られると思いますが。


なんだろうな。なんていうのかな。
SAとか経営塾とかそういう場もいい機会ではあるしいい場ではあるんだけど
実は目の前にチャンスは転がっているんじゃないかと思うんですよ。


そういえば、本書の冒頭には

 正直。純粋。熱中。自負。
 「理系」といえば、こんな言葉が浮かぶ

という前書きで始まっています。
うーん、正直でも、純粋でも、熱中でもないかも・・・。
一応「世界に日本発のエヴィデンスを提供している」
という自負はありますが、そうか、うーん。


私自身はいい意味で「理系」の壁を壊していると思いたいです。