めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

ひとをそだてる

 ひとを育てるのって難しいなぁと思う今日この頃。っていうか、そう思うのはいつもですけど。そして育てるなんておこがましいのかも知れませんけど。

 私は今まで周りに恵まれてきたと思っているので、結構うまく育ててもらったと思うのですよ。10年前の高校卒業したての自分と今の自分を考えたら、絶対今の自分の方が人間的に成長してる。まぁ成長していない部分も多々あるのですが、それでも伸びました。

 で、院に入ってから私自身は直属の先輩にほぼ放置で育てられたのですよね。現在の上司は先輩の更に上に位置していて、上司に研究結果を持っていくと「は?これやってないの?」といわれて先輩に聞いて「ああ、こうやるんだよ」と教わる。もしくは上司に直接教えてもらう、の繰り返しでした。直属の先輩といいつつも、直属の先輩から学んだことは「自分で調べる」だった気がします。どんな本読んだらいいかとか、どうやって研究を進めていったら効率がいいのかとか、そういうことはすべて手探りだったし、身をもって学んだ気がします。

 そういう「効率の良さ」を身につけるのに丸々2年くらいかかったんですよね。もっと効率よく系統立てて指導されていたら、もっと早く色々できたんじゃないかとか、時間は無駄だったんじゃないかとか、思ったわけですよ。2年たって。だから、あとから入ってきた後輩や、カリキュラム上数か月一緒にやった学部生には、その放置プレーから得た自分なりの効率的な方法というのを教えてきたつもりです。

 最初はこうやって先行研究をまとめて、解析はこういう流れでやって、この本読むと解析の辞書がわりになるし、これも持ってた方がいいですよ。ミーティングではこれやる時は準備に時間がかかりますよ・・・etc。

 でも今になって、果たしてそういうことをすべて最初から教えるのでいいんだろうか?もしかしたら、本人にとっては手探りの方が身につくのではないだろうか?と思ったりするのですよ。私が身をもって得てきたことは、あの無駄とも思える時間があったからじゃないかって。あの悔しい思いがあったから得られたものなんじゃないかなぁって。確かに、研究室に置いて業績を上げることには、早くこの分野の研究手法を学んでもらって、データの扱い方を学んでもらって、がんがん論文にしていくことが重要なのかも知れないですけど、うーん、最初から効率よく片づけていくことが、本当に自分の「実」になるんでしょうかね。

 そんなわけで、自分自身も学部の頃からどちらかというと「手とり足とり」教えてしまう傾向があったので、最近というか今年年度始めくらいからは、聞きに来るまで放置ということをしてみています。自分が忙しいのもありますが「○○どうですか?」とはあまり聞かないようにしています。でもそうすると直接上の上司に話がいったりしていて、それでいいのかなー、まー上司が付き合ってるんだからいいだろう。きっと自分の仕事がいっぱいいっぱいになったら突然私に振られるんだろう、と気長に構えてみたりしています。

 これはSAも同じで、今結構いろんなイベントに出ずっぱりになっていますが、本当は先輩の私がしゃしゃり出ちゃダメなんですよね。まー今回はやらなかったら絶対に終わらなかったからいいと思うことにしていますが。本当は一歩引いて後輩が企画を立てる姿を見守って、足りないところを補うくらいの方がいいんですよね。COEでも本来はそうなんですけど・・・。うーん、難しいなぁ。私ばっかり「得られたことはプライスレス」でも仕方ないんだよなぁ。

 この「得られることはプライスレス」って、どうやったら伝わるのかなぁと思います。もちろん、イベントひとつひとつには、基本的には失敗盛りだくさんで、思うようには進まないし、へこむことばっかりなんですけど、あの達成感ったらない。あの達成感味わったらやめられない。味わってもらうまでに、企画自体に巻き込む必要があるし、巻き込むためには「楽しい」ってことを前面に出せばいいんだろうか・・・でも実際やってみたら思うようにいかない苦しみなんて、常にあるものだし・・・。ぬーん、難しい難しい。

 ともかく、お陰さまで毎日飽きません(笑)