めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

睡眠学―眠りの科学・医歯薬学・社会学

4840731330睡眠学―眠りの科学・医歯薬学・社会学
高橋 清久
じほう 2003-04

by G-Tools

 睡眠についての今までの科学的な知見や課題を網羅的に本にした1冊。学術書、という感じですが、睡眠に関連する疾患や産業事故、教育、今後の課題、あるべき対策まで、本当に「網羅的」に書かれているので、睡眠学全般を知るのにはよい本だと思います。疾病に関することだけではなく、メカニズム部分にも結構な量を割いています。あれ?でも引用文献が書いてないけど学術書・・・?なのか?ん??・・・と思ったら、報告書を一般向けに図表を加えて出版したものだそう。専門書といえどかなり読みやすいかと思います。

 第1章 睡眠学創設の必要性
 第2章 睡眠科学研究の現状と課題
 第3章 睡眠医歯薬学研究の現状と課題
 第4章 睡眠社会学研究の現状と課題
 第5章 睡眠学研究プロジェクトの波及効果

 それにしても、睡眠に関する研究に関して、日本学術会議が提言を行っているとは知りませんでした・・・。

 睡眠は人の生活の質を高めるうえで重要である。睡眠の起こる仕組みを明らかにし、睡眠障害、ひいては健康障害から守り、睡眠によって引き起こされる多くの社会問題を解決するために、睡眠科学、睡眠医歯薬学、睡眠社会学といった学問体系をつくり上げ、それぞれの専門分野の研究者が協力しあって研究を進め、かつ成果を国民に還元するシステムをつくり上げることが重要である。そのための具体的な提言を日本学術会議が行ったので、その内容を具体的に説明したい。(P197より)

 最新の論文ばかりをみていると、こういった「全体を俯瞰する」ということがなかなかしなくなってしまうので、興味を持っていることに関しては、論文&学術書のあわせ技がやっぱり必要だなあ・・・と改めて思った1冊でした。