めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

トリノ・エジプト展

 宮城県立美術館にて。12月20日まで。公式サイトはこちら
 

 いやー正直、県立美術館がこんなに混んでいるのは初めてです。駐車場が満車とか、今まで見たことないんですが。といっても東京都美術館に比べれば大したことない混雑具合なので、嬉しいところです。

 エジプト関連の展示は、中1のときに大英博物館のミイラの前で写真に収めさせられるという苦い経験をして以来、微妙に構えてしまうのですが*1吉村作治のエジプト展とはまた趣が違ってよかったと思います。そもそも、トリノエジプト考古学にとって重要な場所だなんて全く持って知らなかった・・・。東京都美術館であれば2階まであるので、大きな彫像を上から眺めることが出来たのでしょうが、宮城県立美術館はそういう構成になってないのでそれは敵いませんでした。まあ仕方ないですけど。

 ところで、この展覧会に行って思ったのは、なぜここまでして「エジプト考古学」というものは人気なのかということ。吉村作治先生は、テレビに出演したりすることで、エジプトへの渡航費や研究費を捻出しているようです。前にテレビに出演されていたときだか、吉村作治のエジプト展の映像でおっしゃっていたのか、詳細は忘れましたが、エジプトで発掘した物品を補完するだけで年に1千万はかかるとのこと。あれ?1億だっけな?その捻出のためにテレビに出たりこうして展覧会を開いたりしているとのことでした。っていうか科研費とかそもそもあの先生は取っているのだろうか・・・。取っていたとしてもエジプトの資料管理費に科研費とか使えるんだろうか・・・。

 ああ、何故こういう話を持ち出したかというと、昨今のアカデミアを巡る予算等々一連の流れを見て、どうにか当てはめることはできないのだろうかということです。考古学や歴史学に関して言えば、多分エジプト関連がひとり勝ちなのでしょう。でも、歴史学関連って若手が研究しようと思ってもポストもなく、研究費もなかなかつかず、博士課程進学者さえもほとんど居ない状態で、科学関連以上に厳しいといわれています。もし、あのトリノ・エジプト展でその窮状をなんらかの形で訴えることが出来たら、理解されるんだろうか、寄付とかつのれるんだろうか、とか色々思ったりしたんですよ。

 科学もこうやってある種の「文化」や「教養」として根付くことで裾野を広げられないかなあと思った次第です。

*1:今でもミイラはあまり直視できません