めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

予算案出る(仕分け雑感その3)

 サイコムさんのメルマガより一部引用&改変。12月25日18時過ぎ、閣議にて平成22年度予算案が決定。詳細は以下になります。

  • 特別研究員事業:平成21年度の163億円から167億円(概算要求は170億円→3億円(1.8%)の縮減)
  • 特別研究員事業(DC):113億6600万円。(概算要求は116億4千万円)
  • 国立大学法人運営費交付金:平成21年度 11,695億円 から11,585億円(ほぼ1%の減額)→例年通りの毎年1%減が維持。
  • 科学研究費補助金:1,970億円 から2,000億と増額。
  • 大学院教育改革推進事業:概算要求は366億円から286億7800万円(22%減)。これはグローバルCOEプログラム140件〔継続分〕・組織的な大学院教育改革推進プログラム95件〔継続分〕の二つが合わさった予算。大学院教育改革プログラムは事業仕分けの対象でなかったので、概算要求通りとなると、グローバルCOEはほぼ3割の縮減。
  • 女性研究者支援システム改革(科学技術振興調整費):概算要求額は305億円から219億円(3割縮減)。

 ノーベル賞フィールず賞受賞者の会見辺りから、ずーっとずーっと仕分け関連についてはもう1本書こう書こうとおもっていたのですが、まずは博士ネットワークミーティング書いて・・・ご飯のレシピ書いて・・・とやっていたらこんな年末に。実行力のない自分に反省・・・。といっても全然まとまらないと思います。

 事業仕分けを受けて、自分自身でもパブコメを送りましたし*1、色々署名にも署名しました。でも正直、最近思うことは科学者だったりアカデミア界隈だったり、まあ自分もその端っこに属しているんですけど、その界隈の人って、組織力とか統率力ないなあ・・・って残念な思いが出てきてしまいます。署名だって、ちょこちょこやるよりは、どばっと一発やったほうが数も集まるのでは?と思ったり、みんな集める機関が短期間すぎてそもそも数を集めることを目的にしてるんだか、署名活動をすることが目的なんだかよくわからないものも多かったです。いや、できる限りの署名はしましたけど、次々回ってくるお知らせを見ながら、段々冷めてきてしまった自分がいました。焦りもわかるし、何かしないとっていうのもよくわかるんですけど、えーっと、でこれはいったい誰が対象で私はどっちに署名すべきなの?ってものもあったし・・・。

 今色々と若手の研究者を中心にAAAS*2みたいな団体を作ろうとか、このままじゃだめだとか動いているんですけど、それにはできる限り協力したいと思います。が、気が付いたら議論がものすごい速さで散逸的に行われていて、なんていうかついていけない状態に(苦笑)。Wikiを見る限り、AAASの母体となったのは Association of American Geologists and Naturalistsで、もともと母体があったんですよね。母体のない所でいきなり日本版AAASを作ろう!って言ってもそりゃーちょっと成功するんですか?と思うんですけど、そういうのを言うタイミングすらもすでに逸した状態です。
 
 っていうか、ノーベル賞受賞者の方々、あんなに「For ME!!」って主張をさらけ出して落胆させるくらいだったら、あの壇上で「日本版AAASを作りましょう!」と声高らかに宣言してほしかったです。そしたら「おおおお!!日本のサイエンティストも捨てたもんじゃない!」って思ったのに。でも、結局マスコミ批判とかに終始してしまって、そもそもどうしてこうなったのか、という部分にはほとんど言及がなかったように思う。そこが、残念で仕方ない。あれだけのネームバリューを生かすすべを持たなかった。でも、批判だけならだれでもできるんだよなあ・・・。

 あとは、だんだんだんだん、性別とか分野別とか年代別の争いになってきてしまった感が出てきたのが残念です。今こそごちゃごちゃ言ってないでなんとかまとまらないといけないのに。どうやったら、日本の科学や研究業界がいい方向にいくんだろう。

 日本のサイエンスを研究をどうしていくべきなのか、そこに私がどうコミットしていくべきなのか、答えが全然見えません。やらないといけないことは、こうして日常生活でもいいからブログで発信し続けること、質の高い研究をしていくこと、優秀な後輩を育てていくこと、自分も含めて分野の人間の活躍の場を広げていくこと、たくさんの人と交流すること、かなあ・・・。今までの日本のシステムが全て悪いとか、いうことはできないけれど、これからどういうシステムにして、どうやって世界のトップグループに入っていけばいいのか、どうしていけばいいのか、見えない。

 私の恩師は「疫学でいうならば、もはや世界トップレベルを目指すのではなく、アジアでなんとしてでもトップを維持したい、そういう世界になってきちゃったんだよ。」と言いました。特に日本の長寿については世界的にまだまだ注目が高くて、疫学研究やる意味はたくさんあるのに、ものすごいスピードで、中国と韓国とシンガポールが追い上げてきている。日本は法整備もうまく整わない。こういうところにどうコミットすべきなのか、私はまだわかりません。でも焦ることなくじっくりどうすべきか見極めて行動していきたいと思っています。その先にまず自分の5年後の職か・・・。

*1:あまりにも人物がばれそうなので、ブログには載せませんでした。誰に見られても困らないように書いているつもりですが個人を特定されるのはちょっと・・・

*2:サイエンスの発行団体です。