めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

異質な人の集団で働くこと

 昨日たまたま上司と話していて「いやーうちの部署のうち、同僚の3分の2は私より年上ですからね!」といったら、「えーそうだっけ??あ・・・確かに・・・」という話になりました(管理職的立場は私とその上の上司のみ)。「あんたもなかなか大変だよねー」という話なんですが、ええ大変ですとも。ええ、気が抜けないですとも!

 ・・・とはいえ、割とうまくやっていると思います(実際一緒に働いている人たちがどう思っているかはよくわかりませんが、少なくとも表面上は)。大学の部活で縦割り社会を経験したことと、大学院時代最年少最高学年という結構普通の大学院じゃありえない立場を経験したということが大きいかなと思います。日本の体育会系体質の弊害は色々言われますが、縦割り社会を経験したことのない私にとっては、いい経験でした。先輩方がすっごい厳しい、というわけではなかったのも幸いだったかも。それに加えて、後輩が全部年上っていうのが博士課程のうちほとんどだったという普通はありえない経験ができたのも良かったと思います。

 昔は大学卒業年次や年齢=立場、だったのかもしれませんが、今の時代そういうファクターだけでは計りきれないものもあるし、どんどん外国の方も入ってくるので、何が何だかわからないんですよねー。共同で他の会社なりグループなりとなんかやることになったら、相手が年上高年下だか立場がどうなるかもわからないし。

 でも、昔のような均質な集団だと、新しいものや発想は生まれないと思うんです。バックグラウンドも年齢も大学も性別も専門も異なる集団だからこそ、異質なものの組み合わせからいいものが生まれてくるんだと私は思っています。そのための人材マネジメントをどうしていくか、異質な人たちの集まりだからこそ違ってくる考え方や習慣をどうまとめてマネジメントしていいものをうみだしていくか、その能力がこれから問われてくるんですよね。私が今の職場に採用された一番の理由は、仕事の能力よりも、むしろここの異質な人たちをマネジメントしてきた経験が大きいんじゃないかと思っています(それは採用を決めた上司のみぞ知るw)。ただ、マネジメント能力があるとかじゃなくて、単に他人よりたくさんそういう機会に恵まれてて経験値があっただけなんで、これから先どうやってその能力を磨いていくかが、仕事の能力をあげるとともに、個人的な課題だったりします。

 そのマネジメント能力をどうやって磨いていけばいいのかといえば、そりゃもう、自分自身が色々なところに飛び込んで、色々な人と仕事したり飲んだり遊んだり話したりするしかないんだと思う。自分と他人が「違う」ことをちゃんと理解して、あとはマネジメント経験を積んでいくしかないんじゃないかと思うんです。

 私頭固いですからねー。頭固い自分がどうやって異質な人の集まりをまとめいといけないかって、ともかく相手は自分と違うってことを根本から叩き込まないと、「私はこうなのになんでそうしないの?」って思ってストレスためるだけですからね。効率は重視しないといけないのかもしれませんが、ひたすら自分と違う人達と知り合うことを求めて色々なところに顔を出して話を聞いてみるしかないですよ。もうこれはある意味今は強迫観念に近いかもしれません(笑)。

 ・・・とまあ前置きがかなり長くなりましたが、博士が使えないっていう議論の一部には、この「異質な人の集まりをマネジメントする力」が欠如してるからではないかと思います。力っていうよりも経験か。そしてマネジメント力っていうかそもそも異質な人の集まりで仕事をする力の欠如か。

 で、その力をどうやって付ければいいかって、そりゃもう、ラボなんかにこもってないで色々な所に行って色々な人とであってくるしかないでしょう。政策コンテストや仕分けで色々と削らてていますが、実は大学内に色々とプログラムやそういう場を提供することは増えているんですよね。大学院改革プログラムとかGCOEとか女性支援とかアウトリーチとか。税金落ちてるんだから、受身でやるんじゃなくて、自分自身の成長のためにも積極的に利用しましょう、と思うんですよね。お金もったいない・・・。チャンスは誰にでもあって、そのチャンスを「チャンス」として気がついて自分の手に入れられるかって、分岐点だと思うんです。

 とまあ、ちょっと色々考える今日この頃です。チャンスをチャンスと気づけるように、マネジメント能力を磨けるように、仕事の能力も磨けるように、日々努力、です・・・。