Banana fish another story (小学館文庫) 吉田 秋生 小学館 1997-11 by G-Tools |
Banana fishは大好きな漫画の一つですが、私の周りでイマイチ吉田秋生の知名度が低いんですよねー。まあジョジョ男子(女子も)が多いからなんでしょうが。
さすがにBanana fish全部を読むと徹夜しなければならないので、この「Another story」だけすぐ手に取れるところにおいてあり、何かの折に読み返しています。Banana fishから始まって、Another story、Yasha、イヴの眠りという一連のシリーズは、好きです(イヴの眠りはちょっと底が浅い感じがするけど・・・)。
今回、何の気なしにこのAnother storyを手にとってはっとした一コマがありました。Banana fishの主人公のアッシュは、きれーな顔をした「男の子」なんですが、マフィアとかその手の人たちが運営する「男娼」の「娼館」に10歳すぎぐらいに売られて、まあおっさんたちにされたい放題されるわけなんですが、とんでもなく知能が高かったのでマフィアとかそのへんのトップが彼の才能を見出して英才教育を施して・・・・まあその後は色々あるというお話なのです。そのアッシュが「Angel eyes」で、レイプ現場(もちろん男から男へのレイプね)に遭遇して彼を助けたショーターにこう言います。
「・・・こんな顔してるだろ」
「あの手のことは もう−−−しょっちゅうだった」
「あいつら−−−おれが逆らうと決まってあぜんとするんだ」
「それからムチャクチャ怒り出す」
「俺なんかが 自分に逆らうのは さも心外だ−−−と言わんばかりに」
なんかこれ、「善意の押し付け」に似てるなあと思ってしまいました。
「こんなにあなたのためを思っているのに」といっていらない好意、押し付けがましい好意にそっけなくしたりお礼を言わなかったりすると「こんなにあなたのためを思っているのにどうして感謝してくれないの!!!」ってあれですね。
読むたびに毎回発見のある「Another story」でした。ちなみに最初に読んだ時は涙で前が見えないくらい泣きながら読みました。「光の庭」泣けるんですよー。でもこれはBanana fishを全部読んだ人にだけだと思いますけどね。