めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

バカと東大は使いよう

第1章 先生なにやったら優くれんの?―過剰適応で壊れる学生たち
第2章 文系と理系の起源―官学は富国強兵の士官学校
第3章 タコもイカもナメクジではない―ディシプリン不在で崩壊する学力
第4章 坊っちゃんはどこへ行った?―漱石がつけたココロのけじめ
第5章 お上の学とカミの学―自律なき自由の必然的崩壊
第6章 安田講堂遺伝子組み換え―学徒出陣から社会的責任へ
第7章 大学よ、君はソクラテスの問いに答えられるか?―戦略と倫理はコインの表裏
終章 中庸か?凡庸か?それが問題だ―バカとハサミはすぐキレる

 うーん、ひとつひとつのエピソードには惹きこまれるんですが、まとまりがないんですよねえ・・・。

 まあひとつ言えることとすれば、東大に行ってみないと東大に勤めてみないとわからないことが多すぎて真偽の程は??ってところでしょうかねえ。

 最近、日本の大学生は勉強しない、という話を聞きますが、その勉強しなさぶりに「え、本当に皆さんそんなに勉強しなかったの??」と不思議になります。そんなんじゃ、こんな国になっても仕方ないよねー、不景気なわけだよねーと思う。

 私はその人達に比べれば確かに勉強したほうだとは思います。毎日大学に行ったし、単位的にも127のところ、資格課程もあわせてですが160ぐらいとってましたからねえ。実験は行かないとレポート用のデータないし。でももっともっとやればよかったと今後悔しています。

 当時私のいた学科は、専門基礎が1年後期から始まり、卒研配属が2年の3月でした。その分修士進学も国公立より低かったけれども、専門というか「研究」に対する面白さとか苦しさとかっていうのは充分味わうことができました。専門基礎も自分が配属となる研究室とはまたちょっと違う分野の専門基礎も沢山あるから、面白かったし。早くから専門基礎を学ぶことで興味が絞れたりしたのは良かったおともう。でもその分、犠牲になっていたのは一般教養で、もうちょっといろいろな授業があっても良かったんじゃないかとも思います。ただ、私の卒業した大学は総合大学で学生の人数も多く、どこの学科に潜り込んでもばれない感じなので、自分から動けばもっと学べたんじゃないかと思う。通学時間が2時間あるんだから本読みながら通学もできたんだし、なんつーかもっと「寝食を忘れて」勉強すればよかったなあと思います。

 でもまあ、それと専門のタコ壺化はまた違うような気がするので、教育論にしたいのか、官僚論にしたいのか、日本沈没論にしたいのか、微妙に論点が絞られないこの本は微妙でした。著者の知識や教養が広いことは分かるんですがね・・・。

4022732164バカと東大は使いよう (朝日新書)
伊東 乾
朝日新聞出版 2008-06-13

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