めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

世界で勝負する仕事術

4344982479世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)
竹内 健
幻冬舎 2012-01-28

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 分野は違えど、民間の技術者・研究者から東大のアカデミアにコンバートした方のお話です。アメリカでMBAもとって、様々なグローバル企業相手に交渉する仕事から、アカデミアに転職したら、かつての仕事仲間はビジネスやファーストクラスなのに、自分はエコノミークラスで・・・・とか、着任してみたら何もラボにはなくて・・・・いうのが印象的でした。まあ、そんなもんですよね、アカデミアは。税金からお給料いただいてますしねえ・・・。

 とはいえ、彼が示したのは、企業であってもアカデミアであってもグローバルな仕事が、最終的にはできる可能性があるし、グローバルな視点を持った若い技術者・研究者の育成は、企業でもアカデミアでもできるんじゃないか、それは中の人達の横断的なつながりが無かったり、うーんうまく言い表せないけどラボのPI自身が自分の研究本位で後進の育成までそこまで力を入れてないからじゃないかというような感じが書いてある印象を受けました。

 個人的にいつも思うのですが、どこの分野も研究のタコツボ化は進んでいて、色々なところでアンテナを張っていると自分自身の課題のヒントになることや、自分自身の人生そのものの指針となるような出来事に遭遇したりします。もちろん、知っている仲間内で何かを企画すると一定のクオリティは保てるのですが、違う分野の、それも全く全然方向が違うところの人達と、ただ単に一つの目標に向かって仕事すると、思ってもみない企画が生まれたりする、それは絶対に仲間内だけでやっていただけでは生まれなかったような考えだったりする、そのワクワク感が本当にたまらないんです。そのワクワク感を何度も体験してしまったらそれはもう本当にやめられない。あの「これだよこれ!!!」「ここでつながるんだ!」みたいな一本の糸が見えた時の感動は、味わってみないと分からない。その感動を、いくつになっても忘れられなくて、私は民間だろうが異分野だろうが年も性別も分野も関係なくいろいろな人と交流し続けるんだなと思います。

 そしてその交流が、自分自身だけではなく周りの人たちにもっといい影響を与えるような人間になりたいなと思います。