めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

拓く―日本の女性科学者の軌跡

4810704459拓く―日本の女性科学者の軌跡
都河 明子 嘉ノ海 暁子
ドメス出版 1996-11

by G-Tools

1 江戸を翔る―シーボルト・イネ(洋方女医)
2 初の女性博士となって―保井コノ(植物学者)
3 結晶美に魅せられて―黒田チカ(有機化学者)
4 妻としての選択―金山らく(数学者)
5 パリに生きて―湯浅年子(原子核物理学者)
6 海の『所産』―団ジーン(海洋生物学者)

 働く女性のロールモデルロールモデルと叫ばれる昨今ですが、じゃあ、どんな人がいたのかといえば結局身近な人を見てみるしかない。でも身近な人って結局自分に他人が多かったりして、ロールモデルといえど似たような生き方になってしまうのかもしれない。最近、そういう風に思うことがあって、せっかくだしということでこの本を手にとってみました。この6名の中で、私にとって縁のあるのは黒田チカ先生と金山(丹下)らく先生。他の方は正直知らなかったです・・・・。

 それぞれの女性が、一人で行きたり結婚したり家庭に入ったり、海外に出て行ったり海外から日本に住み着いたり、まさに6者6様。こういう色々な人の一生を集めた本が読みたかった。仕事と過程を両立して、偉大な業績を成し遂げる、家庭に入って夫を支え続ける、独身で男性並みに働く、その3つくらいしか最近のロールモデルはないような気がするけれども(私だけ?)、そうじゃなくて、色々な生き方があっていいんだ、そう思えた1冊です。

 男性だろうが女性だろうが、学生だろうが社会人だろうが、結婚してようが結婚しまいが、子どもがいようがいまいが、色々な人が色々な生き方をしていい。色々な人がそれぞれの生き方で、肩身の狭い思いをしないでいい世の中になってほしい。そのためにもこの本を、男女関わらず、多くの人におすすめします。特に進路に迷う高校生や大学生にはぜひ読んでもらいたい1冊です。