めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

理工系のための特許・技術移転入門

4000061437理工系のための特許・技術移転入門
渡部 俊也
岩波書店 2003-01

by G-Tools

  1. 知的財産の役割を理解する
  2. 研究活動と特許出願について考える―研究成果の権利化まで(研究者が特許を取る特許権について理解する ほか)
  3. ライセンス契約の仕組みを理解する―技術移転のための契約を結ぶ(ライセンス契約とはライセンスビジネスの構想を練る ほか)
  4. 特許法の基礎を学ぶ―特許制度を利用するために(特許制度のあらまし特許権者ができること(財産としての活用他人の実施の排除) ほか)
  5. 特許化と技術移転の事例に学ぶ(コーエンとボイヤーの遺伝子組換え技術―TLOを通じた技術移転の成功例セルオートマトン法による複雑系シミュレーションソフト―交渉のなかで生まれた実施事業 ほか)

 読みやすかったです。少なくともAUTMのものよりは全然読みやすいし眠くなりません。理工系と言いつつも、最後には遺伝子工学の特許(アメリカの有名なやつ)の事例も取り上げられています。初心者向けでわかりやすいのですが、ちょっと古いのが玉に瑕。

 以下個人的に疑問その他もろもろ。

 ヤング・レポート:技術の創造、実用化、保護が大学における技術移転制度の整備という形で具体化。アメリカでも1980年に制度化され、1990年代にかけて大きな効果を上げてきた。

→ということは制度化から10〜15年ほどで成果を上げたということ?日本は同様の法整備が2000年くらいだったはず。今成果を上げられているのか?

 契約の交渉は、相手方からいかによい条件を引き出すか、双方の駆け引きであると考えている人が多いが、それはちがう。契約の交渉とは、双方が共同して事業企画を立案する、新しい事業を作り出す基礎づくりの仕事なのである。素直に意見や希望を述べあい、応じられることには応じ、応じられないところは双方で協力することが肝要である。負けるが勝ちという場合もある。むやみに主張するのではなく、高翔は相手を打ち負かすのが目的ではないことを肝に銘じて、交渉の過程を通じてお互いのパートナーシップを築きあげるようにしたい。