めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

ドイツのエルゼビア社との交渉

どうも失敗した模様・・・・。ドイツの200くらいの大学は、数週間以内にエルゼビアの購読が中止される模様です。しかも現在、Springer Natureとも交渉中との事(ちなみにNature News編集部はSpringer Natureとは独立してるよ!っていっている)。どうなるんでしょうねえ。。。

Hundreds of German universities set to lose access to Elsevier journals
www.nature.com

若手研究者の育成にはメンタリングは大事

2005年以降、Natureが指導者のコンペみたいのやってるって知らなかったんですけど・・・・。しかも、2009年の受賞は、日本のFumio Oosawa (Aiichi Institute of Technology)先生と、ソニーの北野先生とは・・・!!

ちなみにメンタリングをする上で障壁になるのはPIが独立しすぎること(独立のため&独立してからも厳しい競争にさらされるってことだと思います)。それでもいくつかの財団や政府のグラントは、メンタリングを計画に入れるように求めてたりするらしく、これはいい傾向だとの事。まあいい論文を書いているラボが必ずしも人材育成に成功しているわけではないし、その逆もしかりでなかなか難しいですよね。

Great mentoring is key for the next generation of scientists
www.nature.com


ちなみにメンターのためのガイドとかも会ったので、忘れないようにメモ。

Nature's guide for mentors
www.nature.com


追記:2009年にこの賞についてのエントリあげてて、色々な意味で頭を抱えました。ブログ便利ですねー。

PSA検診で前立腺がん死亡リスクが減る

タイトルだけで、えー、また新しい研究の結果でもでたの?と思って読んでみたら・・・・。なんと異なる結果をだした2件の大規模RCTのデータを再解析した論文だったという・・・。いやーこんなことできちゃうんですねえ。オープンデータの時代ですかねえ・・・。

PSA検診については欧州のERSPC研究で死亡リスクが20%低下、米国のPLCO研究はPSA検診にベネフィットはないという結果が2009年に示されていて、大混乱が生じたわけですが、アメリカの予防医療作業部会(USPSTF)はPLCOを重要視したのか、PSA検診はすべきでないという勧告を出しています(ただ、アメリカのがん協会(ACS)などは検診を受けるかどうかについては個別に判断すべきとしている)。

この2件の研究には、そもそも罹患率が異なった国と地域で研究が行われていることとか、色々バックグラウンドとして違いがあったので、このバックグラウンドの違いをうまく補正して結果を分析してみました、というのが今回の研究。結果としてはPSA検診によって前立腺がんによる死亡リスクを25~32%減らすことができるだろうとのこと。ただし、よく言われているように、前立腺がんの手術は性機能障害や失禁の原因となる場合があり、男性のQOL低下させるかもしれないとか、前立腺がんそのものの多くは進行が遅いため、前立腺がん以外の疾患が原因で死亡することが多いので、著者らは過剰診断の可能性も指摘しつつ、PSA検診を受けるかどうかは医師と相談して決めるべきだと助言しています。

・・・・ってアメリカのがん協会の勧奨そのまんまですね・・・。USPSTFがどう推奨具合を変えてくるのか(変えてこないのか)が気になるところですね。

Reconciling the Effects of Screening on Prostate Cancer Mortality in the ERSPC and PLCO Trials.
www.ncbi.nlm.nih.gov

ちなみに結構詳しかった日本語記事はこちら。
www.qlifepro.com

体重変動と冠動脈疾患リスク

他の薬の効果を調べるトライアルのデータを使って、体重の変動と冠動脈疾患リスクを解析したもの。意外にこういうデータ(+血液データとか詳細なデータ付き)がなかったようで、1万ちょっとの対象者数でNEJMというトップジャーナルに載ってます。体重変動が大きいほうが冠動脈疾患リスクが高いということで、まあそうだよなーと思いました。新しいところは、他の冠動脈疾患のリスクと独立していた、っていう点でしょうか。

んで、気になるのがこれ、変動の「絶対値」なんですよね。ということは、増加も減少も両方なんですよね。なんかディスカッションとかでは、減少については少ししか触れてなくて、どれくらいあったのか、層別化の結果張るのかとかは不明なような・・・。ごまかされたんでしょうか。むむむ・・・・。

Body-Weight Fluctuations and Outcomes in Coronary Disease.
www.ncbi.nlm.nih.gov

作った器がやって来た!

今日の良かったこと
・ゼロ円生活!
・この間陶芸体験で作った器がやって来たー!
・どんよりした気分が月曜から続いていたのでジムへ。明日早いから適当に切り上げるも交互浴は三回。おかげで湯冷めせず。

下僕は辛いよ
・便秘の姫様。ぽろぽろでてはいるけど、下僕としてはもっと盛大に行って欲しいところ。、。食欲あるし、吐いてもいないから元気なんですけどね。
・下僕はモチベーションが保てず、これで良いのかと悩むスパイラル。

大きい方は下僕用。姫様とおそろいですよ♪



陶芸体験したのはセラモールの咲茶楽さん。

妊娠期間中のビタミンD摂取

RCTのシステマティックレビューなんですが、意外だなーと思ったのは、質の低いRCTが多くて、推奨度合いを出すには不十分との結論。どんどん研究自体は増えているようなのですが・・・・。

ビタミンD摂取は、58.33g(95%信頼区間18.88g〜97.78g、37比較)の平均出生体重を増加させ、在胎期間に比べて胎児が小さいリスクを低下させたが、早産には影響なかった。また子の喘息リスクを3歳まで減少させた、とのこと。あとは木になるのが、幼児期の骨ミネラル量と骨密度が若干低いって事なんですが、これは特にディスカッションで触れられておらず、割と重要なんじゃないのかな・・・・と思うのですが・・・・。


Vitamin D supplementation during pregnancy: state of the evidence from a systematic review of randomised trials.
www.ncbi.nlm.nih.gov

HPVワクチン接種プログラムと再発性呼吸器乳頭腫症

オーストラリアの報告なのですが、国を挙げてHPVワクチン接種を進めたら、再発性呼吸器乳頭腫症という、ヒトパピローマウイルスによって母子感染して良性の腫瘍が咽頭にできては消えできては消え・・・という難治性の疾患が減ったってお話です。この再発性呼吸器乳頭腫症はHPVのうち、6と11が主な原因ウイルスみたいなんですが、オーストラリアで使ったHPVワクチン、ガーダシルは6、11、16、18が入っているそうで、それによって母親のほうの感染が予防されて母子感染を免れ、子の再発性呼吸器乳頭腫症が減ったのではないかとの事。データは国レベルのサーベイランスデータからで、これはHPVワクチン接種が始まった年にできたそう。

とはいえ、数が少なくて、2012年:7例→2013年:3例、2014年:2例、2015年:2例、2016年:1例。まれな疾患ですからねえ・・・・。まあ順調に減少していたようといえるのでしょうかね。あと、この疾患と診断された児の母親に妊娠前のHPVワクチン接種歴はなかったそう。うーん、日本でもこういうシステム作ってなかったんですかね?アメリカとか他の国はどうなんだろう??

あとは、国レベルのサーベイランスデータなら問題ないかなあと思うんですが、これはガーダシル作ってるメルク出資の研究で、著者らはちょくちょくメルクからの支援は受けている模様。

A Prospective Study of the Incidence of Juvenile-Onset Recurrent Respiratory Papillomatosis After Implementation of a National HPV Vaccination Program.
www.ncbi.nlm.nih.gov

m3はこちら。
www.m3.com

メルクマニュアルの再発性呼吸器乳頭腫症はこちら。
www.msdmanuals.com