不活発は認知症発症リスクになるか
メタアナ。不活発だと認知症になりやすいと言われているけど、認知症まで断定できなくてもそれっぽい症状が出ることで不活発になってその後認知症が発症することにより、見かけ上不活発な人の認知症発症リスクが上がるっていう因果の逆転をなくすために、10年以内の発症と10年後以降の発症と分けて解析しています。どうやら対象は欧米だけみたい。
10年以内の発症はやっぱり認知症のリスクが上がっているんだけど、10年以降の解析だけ見ると別に発症リスクは上がっていない。一方で、循環器疾患はどちらも発症リスクが上がっているので、どうも不活発なだけでは認知症のリスクが上がると言うことはなさそう、そして、認知症の前に心血管代謝疾患を発症した人では認知症リスク上昇の傾向が見られたそうで、なんか個人的な印象としては、結局血管詰まることが認知症リスク何じゃあ・・・と思いました。あ、ただこの研究では。不活発は身体活動全般から出しているっぽいので、前から言われているウォーキングは認知症リスクを下げるという話(つまり特定の運動週間が認知症の発症を予防するかもという話)は否定されるかというとちょっとそれはわからないなーと思いました。
Physical inactivity, cardiometabolic disease, and risk of dementia: an individual-participant meta-analysis.
www.ncbi.nlm.nih.gov
「不活発だと認知症になりやすい」わけではない?
www.medicalonline.jp
グルコサミンをとっていると循環器疾患の予防になる?
グルコサミンに含まれる抗炎症作用のある物質が、アテローム性動脈硬化を防ぐ作用があることが動物実験で報告されているようで、じゃあコホートで解析してみるかーってUKバイオバンクの対象46万人でやってみましたーって研究です。結構色々まんべんなくCVDは下がっているんですが、Strokeだけなんかぱっとしないんですよね。数の問題かなあとは思うのですが。
グルコサミンってあんまり気にとめていなかったけど、関節疾患系のRCTついでに循環器疾患イベントだけ再解析って言う研究とかでてきそう。
Association of habitual glucosamine use with risk of cardiovascular disease: prospective study in UK Biobank.
www.ncbi.nlm.nih.gov
トランスジェンダーの乳がん罹患リスク
オランダ・アムステルダムのジェンダークリニックで、ホルモン治療を受けているトランスジェンダーの患者を対象にした後ろ向きコホート。対象人数は、トランス女性2260人、トランス男性1229人。 発症率はトランス女性もトランス男性も、シス男性より高く、シス女性より低い。うん、なんとなく結果としてはわかる・・・。それより何より、こういことができるオランダがすごい。まあ続々他の国から続報は出てきそうではあるのですが。
Breast cancer risk in transgender people receiving hormone treatment: nationwide cohort study in the Netherlands.
www.ncbi.nlm.nih.gov
地中海食のダイエット効果
なんか昔も大規模トライアルあったよなあと思ったら、リトラクトされていて、リトラクト後に再解析した結果が今回の報告だそうです。5年か・・・・頑張ったね・・・。
とりあえずどんなトライアルかと言えば、死因血管リスクが高いけど循環器疾患は発症していない人たちを対象に、地中海食+オリーブオイル(1ヶ月に1家庭に1リットルオイルが届けられるらしいですわよ)、地中海食+ナッツ類、低脂肪食の3群にランダムに割り付けて、循環器疾患や死亡のリスクがどうなるか見ているトライアル。もともとのプロトコールも全部一緒なんですが、どうも元々対象から除外されるはずの、対象者と生計を同一にする対象もランダム化がうまくされないで割り当てられてしまったり、対象者個人のランダム化のはずが一部の研究エリアではクラスターランダム化になっていたりしたそう。で、そういうプロトコールからの逸脱があった人たちも除外して解析したけど、結果としてはリトラクトになった結果とほとんど変わらないとのこと。
このあたりは、リトラクトになった2つの論文比べると面白いのでしょうが、その体力は私にはないのでここまで・・・。
元々のリトラクトされた論文はこちら。
www.nejm.jp
リトラクトに結びつく、プロトコール逸脱をみつけた人の話。
www.sciencemag.org
印象派からその先へ-世界に誇る吉野石膏コレクション
クイーン ヒストリー 1973-1980/クイーン ヒストリー2 1980-1991
クイーンを楽しむというかクイーンを知る感じのドキュメンタリービデオの映画館上映。どうせ音源でるから映画館で見た方がいいなーと思ってぶっ続けで2本見てきました。満足。アルバムの評価は出てくる人ごとに好みの問題もあって割れているのが興味深いところです。ビデオ上映だからライブ映像とかあんまりよくないのは残念だった。そしてこのドキュメンタリーの作成は2006年で、ポール・ロジャーズのプロジェクトと、私が「楽しかった!」と思い出に残っている、日本には2004年に来日したクイーンのミュージカルプロジェクトが言及されていたわけですが、その後のアダム・ランバートのクイーン、ボヘミアン・ラプソティの映画のヒットを、このドキュメンタリーに出てきた面々はどう思ってたんだろうか、と思うと続編が見てみたいなと思う。ちなみに私は楽しんだミュージカルプロジェクトは、はこのドキュメンタリーの中で酷評されていた(苦笑)。今は無きコマ劇でやったんだよねー。