めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

日本にノーベル賞が来る理由

4022732520日本にノーベル賞が来る理由 (朝日新書)
伊東 乾
朝日新聞出版 2008-12-12

by G-Tools

 1 幻の物理学賞と坂田昌一、戸塚洋二
 2 ノーベル賞を勘違いした日本人
 3 究極のパワーバランス
 4 「対称性」でノーベル賞を見る
 5 知の好循環は回っているか?
 6 問われる「ノーベル賞受賞後」の活動
 7 「壁」を超えて…世界が日本に期待するもの

 伊東 乾の「常識の源流探訪」での連載を本としてまとめたもの。どうやら、100万アクセスがあったらしいですね。私も、いくつかエントリーにしていますが・・・。これこれかな。

 この方に、「ノーベル物理学賞の裏側」とかで本1冊書いて欲しいなぁ。

 ・・・なんて書いたら、本当に本になっててびっくりしました。

 内容は多少ネットのものとは違いますが、新書で軽いので一気に読めます。私には珍しく熟読1回でう〜ん、3時間くらいでしょうか?昨年の日本人科学者複数人がノーベル物理学賞の受賞したことをきっかけに書かれたものですが、物理に明るくなくても読みやすいです。受賞内容も時には図を交えて書かれているので、わかりやすいし。今まで知らなかった、ノーベル賞の選定の裏側が垣間見られて面白いです。ノーベル賞といえば各賞を独立して見がちですが、「ノーベル賞」という全体を見渡してみれば、こんなに細心の注意を払って選ばれていたのか!!という感じでした。

 某塾で、「日本にはちゃんと研究者を評価するシステムがない」というディスカッションをしましたが、そういうようなことも書かれていました。この本がいいなと思うところは、ノーベル賞選定の舞台裏だけではなく、今の日本の科学研究システムや大学制度とかそういうところまで、全体を俯瞰して書かれているところです。ただ、結構広がりすぎちゃって、この分量の中ではディスカッション不足かなあというところも否めませんが・・・。

 それでも、この機会にぜひ一読してもらいたい本&連載です。

 連載はずっと読んでいたので、今回この本を読むということは、「ネット上での連載と、それを基にして作った新書を読み比べる」という機会でもあったわけですが、やっぱり「ネット」と「出版媒体」の違いというのがあって、両方読んでよかったなあと思います。日経BPでの連載から少し手が加えられている、という部分もありますが。

 ・・・というのも、私はネット小説だろうが出版媒体だろうがなんだろうが、突然発作のように「文章が読みたい!!」とひたすら本やらネット小説やらネットニュースやら新聞やらを読み漁る・・・ということが年に何回かあります。これが、英語であってくれればいいんですけど、どうも日本語限定なのが惜しいところです。

 それだけ読み漁るにしても、やっぱり「ネット」と「本」って違うんですよね。何より本はネットで文章を読むよりも目が疲れない(笑)そして、どこでも読める。 確かに最近、電子書籍とかあって、ipod touchとか薦められるんですけど、うーん、なんか活字中毒だけど電子書籍には抵抗があるというか・・・。喫茶店で活字読むなら、やっぱり「ページ」をめくりたいなと思う、変なところだけアナログな人間です。