イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」
イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」 安宅和人 英治出版 2010-11-24 by G-Tools |
初めて発売日数日の本を購入し、届いたその日に全て目を通すということをした気がします。それだけ、待ちに待った本でした。待ち過ぎてものすごい勢いで目を通してこれを書いています。
はじめに 優れた知的生産に共通すること
■序 章 この本の考え方―脱「犬の道」
常識を捨てる
バリューのある仕事とは何か
踏み込んではならない「犬の道」
「圧倒的に生産性の高い人」のアプローチ
「根性」に逃げるな
コラム:「噛みしめる」ことを大切にしよう
■第1章 イシュードリブン―「解く」前に「見極める」
イシューを見極める
仮説を立てる
「スタンスをとる」ことが肝要
何はともあれ「言葉」にする
言葉で表現するときのポイント
よいイシューの3条件
イシュー特定のための情報収集
イシュー特定の5つのアプローチ
■第2章 仮説ドリブン(1)―イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
イシュー分析とは何か
【ステップ1】イシューを分解する
【ステップ2】ストーリーラインを組み立てる
コラム:MECEとフレームワーク
■第3章 仮説ドリブン(2)―ストーリーを絵コンテにする
絵コンテとは何か
【ステップ1】軸を整理する
【ステップ2】イメージを具体化する
【ステップ3】方法を明示する
コラム:知覚の特徴から見た分析の本質
■第4章 アウトプットドリブン―実際の分析を進める
アウトプットを生み出すとは
トラブルをさばく
軽快に答えを出す
■第5章 メッセージドリブン―「伝えるもの」をまとめる
「本質的」「シンプル」を実現する
ストーリーラインを磨き込む
チャートを磨き込む
コラム:「コンプリートワーク」をしよう
おわりに 「毎日の小さな成功」からはじめよう
この本は私がもう2年ほど読んでいるブログ「ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Being between Neuroscience and Marketing」の方(id:kaz_ataka)が書かれた本です。
このブログを読み続けている1つのきっかけでもある「圧倒的に生産性の高い人(サイエンティスト)の研究スタイル」というエントリで、「うーん、これもっと具体的に知りたいんだけど・・・」という消化不良感が個人的にあったのですが、それが解消された感じの本でした。
ビジネスと研究に共通点があるような気がしていたのですが、それを具体的な言葉で表すことができずもやもやしていました。というか「何か共通点がありそうだ」とは思っていたけれど具体的に言葉にすることも検証することも考えることもしなかった。ずーっともやっとしたものがあっただけだったと思います。でもそれが、晴れた気がする。「ああ、こういうことだったのか」と。私は明確に文章化することはできなかったけど、確かに言われてみれば、そうだ。そんな感じ。
この「ニューロサイエンスとマーケティングの間」というブログは、私が博士在学中に感銘を受けたブログで、当時周りの博士大学院生にやたらめったら勧めた記憶があります。この「圧倒的に生産性の高い人の研究スタイル」のエントリ以外にも、かなり面白いエントリが目白押しで、毎回はてなアンテナをわくわくしながらクリックしていたのですが、ずいぶん前からブログが更新されないなあと思っていたんですよね。そしたら本書いていらっしゃったんですよねえ。というわけで「本の目次を入手しました」というエントリを読んで以来、待っていたのですが、さっそく今日届いたのでざざーっと読みました(←待っていた割に発売日当日に購入するとかいうことをしない人)。ちなみに発売日からまだ数日だし「初版に違いない!」と思ったら、数日で増刷して2版でした・・・。2版の日付あと数日先なんですけどー。
ブログのほうはかなり早い段階で出会っていたのですが、この本にもできることならもっと早く出会っておきたかったです。でも、まあ人生「縁」ですから、「今」この本と出会えたのは意味があることなんでしょう。何度も何度も読み返そう。確実にイシューを見極めるまでは、私はまだまだ時間がかかりそうですが、私の知的生産能力が少しでも向上すればいいと思う。
余談ですが、私は安宅さんがいう「joy of life」っていう言葉も好きです。そのjoy of lifeのためにも、必要だと思う。ただただひたすらがりがりと量で仕事をこなすんじゃなくて、それで「仕事してる私って素敵!」とか悦に浸ってるんじゃなくて、もっと違うやり方が、ある。
悩まない、悩んでいるヒマがあるなら考える
はい。脱犬の道。そしてもう少し読み込んで実際のプロジェクトに役立てたいと思います。
私の周囲には研究関係者もビジネス関係者も、我ながら驚くくらいありとあらゆる仕事の方、専門の方がいらっしゃるのですが、その方たち全てにお勧めしたい本です。