企業資金で行われている医学研究の結果
企業が提供する研究費で行われていたり、その企業の研究者によって書かれは論文がその企業にとって都合がいい結果でありがち、というのは医学系では割と常識なので、ちゃんと論文の利益相反も見ないといけないのも常識なんですが、その企業提供資金が独立しているものがそうでないか(つまり企業側がその研究のデザインなどに口が出せるかどうか)で結果が異なるか検討した短報です。結果そのものに有意な差はなかったけれど、結論は企業から独立していない資金の方がより企業に好意的に書かれる傾向があったようです。まあ驚きはしない結果ですが、結論だけじゃなくて中身もちゃんと読もうねってことですね。
Association Between Sponsorship and Findings of Medical Home Evaluations.
出生異常の原因と臨床像
えーっと・・・なんでこんな難しいの読んでしまったんでしょうか・・・・。とりあえず、先天性の異常とか欠損がどんな原因で起こっているかをユタ州の人口統計から分析しています。まだまだ原因がわからないことも多く、より良い戦略を練らなければならないが、そのためには疫学、基礎研究、臨床家とのコラボレーションが必要ではないかとのこと。
Etiology and clinical presentation of birth defects: population based study.
www.ncbi.nlm.nih.gov
アット・ザ・ベンチ―バイオ研究完全指南 アップデート版
友達にこのシリーズを勧められたので、数冊買ったその1冊。実験していない私には全く関係ないのですが、これ、学部3年とか、卒論始める頃にあれば(読んでいれば)とてもよかったなあという気がします。修士でラボ変わる人とか、現時点で他大や他ラボの大学院受験を考えている学生がいたらちょっと高いけど読んでみることをおすすめする1冊。あともし(かなりありえないことですが)今後自分が実験する羽目になったらまずこれを読むだろうなと思いました。
一応目次載せておきますね。
1 研究室に慣れる
研究室とはどんなところか
研究室をのぞいてみよう
実験の準備を整える
2 実験の組み立てから発表まで
実験を立ち上げる
実験ノート
プレゼンテーション“自分を売りこむ”
3 実験に失敗しないために
試薬類の調製
保存と廃棄
コンタミを防ぐ
真核細胞の培養
菌体操作の基本
DNA、RNA、タンパク質
放射性物質の取り扱い
遠心
電気泳動
光学顕微鏡の使い方
- 作者: キャシーバーカー,Kathy Barker,中村敏一
- 出版社/メーカー: メディカルサイエンスインターナショナル
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 単行本
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糖尿病を持つ妊婦の妊娠後期における母乳の保管
オーストラリアの研究なんですが、糖尿病をもつ妊婦に対して臨床医が妊娠後期(36週)から母乳を搾乳して保存しておくことをアドバイスするそうなんですね。でも何の根拠もないので、その安全性とか出産後のアウトカムについて調べた研究です。日本でも同じことやってるんでしょうか・・・・?結論としては害はない、とのことですがどう読んでも積極的に推奨するかというとそうでもないような感じなんですよね。かといって利益がないわけでもなく、ただその利益が結構微妙な感じなので今後もエビデンスを積み重ねていく、というところでしょうか。
Advising women with diabetes in pregnancy to express breastmilk in late pregnancy (Diabetes and Antenatal Milk Expressing [DAME]): a multicentre, unblinded, randomised controlled trial.
www.ncbi.nlm.nih.gov
お医者さんには行きたくにゃいにょ!
今日の良かったこと
・幼なじみで集まったけど、母たち強し!ちっこい子複数人はやっぱりなかなか大変だなぁと思いました。私は割と懐かれるタイプなのでお世話代われるものは代われるからまだ存在意義があったと思っているwしかしみんなかわええのよ。
・めご氏はベッドにお漏らしはなしでなかなか優秀でした。しかし時間間に合ったから獣医さん行こうとしたら気配を察知したのかソファの下に逃げられてアウトw明日は大雨のようなので明後日かなぁ。
下僕は辛いよ
・今日はようやく夏っぽく猛暑になってしまったのに、寂しかったのか離れてくれぬ。暑い。。。
・ここ数年猛暑だからか、外気温とない気温の差が大きくて辛い。いやまあ、生ぬるい冷房じゃ暑いんですがね、確かに。
統計の有意水準をより厳しくすべき?
知り合いの先生も取り上げていたけれど、P値の大小じゃなくて、P値そのものの意味と言うか、点推定値もちゃんと見ないとだめだよねという話だと思うんですが・・・。まあ確かにP<0.05はなんで決まっているからって慣習的に、としかいいようがないし、時々有意水準はボンフェローニの補正かけてもっと小さい数字だしてくる論文も有る。でも、それってやっぱり本質的にどうしてそういうことをするかっていう意味がわかってなかったらどうしようもないよなあと思います。そしてわたしにできることはわかりやすくP値の意味を説明することなんだけど・・・・なかなかできぬ・・・・。
Big names in statistics want to shake up much-maligned P value
www.nature.com