めごめも!

ひとりと1匹の生活記録。

論文

栄養補助サプリメントは死亡リスクを下げない

栄養疫学系の人にとっては「やっぱりね」という結果ではあるんですが、アメリカのNHINESのデータで、サプリメント摂取している人としてない人で死亡率比べたら関係なかったよ、むしろサプリメントの過剰摂取は死亡リスクをあげるかもしれないよ、という報告…

人工膝関節全置換術後のQOL

シンガポールの研究で、術前のQOL別に解析しているんですが・・・・。うーん・・・・。そもそも研究と関係ないけどいつも思うのが、JAMA OPENってPDFダウンロードしてもWebそのままPDFにしました!って感じで読みにくいですよね・・・。それはともかく、一応…

進行卵巣腫瘍患者における骨盤・傍大動脈リンパ節の系統的郭清

卵巣腫瘍患者に骨盤・傍大動脈リンパ節の系統的郭清はよく行われているけど、実際生存率が改善するかどうかというRCTは限られていたそう。なんでやっちゃいましたー、って600人くらいにRCTしてます。結果的に全生存も、無増悪生存期間も差がなく、郭清した分…

HPVワクチンに関する裁判の結果

子宮頸がんワクチンに関する主張を巡る日本での裁判結果は、偏った主張や誤った情報が正しいと取られかねず、人々の健康を危険にさらす恐れがある、っていうことでNatureのWeeklyメールに書いてあったので読んだんですが、「裁判の結果」を読み飛ばしていた…

肥満×うつに対する食事と行動介入

どちらもあんまり効果なさそうなんですよね・・・。JAMAに掲載された論文2本。MoodFOODはn3系脂肪酸のサプリメント摂取×食事行動の介入で、500人くらいにRCTしてます。で、不安が改善しているんだけど、項目の中でこれだけなのでチャンスの可能性は否めない…

研修医プログラムの柔軟性と睡眠

ざっと読むにはちょっと難易度が高かった論文。非劣性試験な上に、研修医のプログラムがどんなものか想像しにくい・・・。とりあえず、柔軟性のあるプログラムの睡眠時間は劣っているということは示されなかったものの、注意力については落ちる、の、か・・…

BMIと死亡リスク

なんでBMJ載ったんだろう?って考えると、多分UKバイオバンクなのとmendelian randomisationだからだろうな・・・。結果としては今まで言われていたのと大きく乖離はないという印象。BMIが低いとリスクが上がってくるのは、潜在的に疾病上がってそもそも登録…

インド、中国、ブラジル、メキシコの小児死亡率

乳幼児死亡率は男児の方が高いのが普通だと思っていたんですが、この論文では、インドと中国では女児の死亡率の方が高くて、ブラジルとメキシコでは男児の方が高い・・・。5-14歳の小児死亡率の性差ってこんなに違ってくるものなのでしょうか・・・・。社会…

銃に関する法律と、銃所有と、銃乱射事件の関連

アメリカのデータだけどBMJから。結論としては銃に寛容な週ほど所持率も銃乱射発生も多いんですが、まあそらそうよね・・・って結果ですよねえ。ところで、気になったのが研究デザインが「Cross sectional time series」ってことなんですが、ExposureのAn an…

オーストラリアにおけるアカデミアのセクハラ

女性の半数がセクハラを受けているとの話。ところで、この記事の元になった報告書、結構な数の研究者に調査ばらまいて300人くらいしか答えないってバイアスありすぎというか調査方法そのものを見直した方がよいのでは・・・。確かに回答した人はそうかもしれ…

ホルモン療法とアルツハイマーリスク

フィンランドからの大規模ケースコントロール研究。でっかいなー、でもなんか数値の上がり方がガタガタだねえ・・・って思ったら、この研究、データベースからとってきているのでそろえている背景情報が受診病院と年齢だけなんですよね・・・。当然補正もし…

アスピリン使用による出血リスクの推定

予測モデル系ってあんまり好きじゃないけどなぜか手に取ってしまいました・・・。NZの38万人のコホートデータからのモデリングです。気になるのは欠損が多くて、ヘモグロビン、血小板数、BMIをモデルからはずしていること。うーん、外すことでどの程度の影響…

インドのジャーナル投稿

インド政府は、大学院生に特定のジャーナルに論文が掲載されると奨励金みたいなものを出すシステムを導入したそうで、不正などの温床になり、インドの科学の質の低下が科学者によって危惧されているようです。そもそもインドから出された論文は、中国やアメ…

前立腺がん診断後の低容量アスピリン使用

デンマークの前立腺がん患者約3万人のコホート。ベースラインの登録が2000年から2011年で追跡は2015年まで。5年時点では前立腺がん死亡の予防に効果ありかもしれないみたいなこと書いてあるんですが、うーん、数字的には微妙。総死亡はむしろ上がってるし・…

中高年になってからの運動

アメリカのデータなんですけど、30万人強のデータを使って分析したもの。もうそれだけでおなかいっぱい。結果としては中年期になってからでも動いた方が死亡リスクが下がりますよーってお話です。注意しないといけないのは、中年期に何らかの疾患の前兆が出…

研究室で作られた肉

1ヶ月くらい前のNature NEWSなんですけど、Clean meet(日本語でなんて訳せばいいんだろう・・・)について、一度植物性蛋白の方に研究費が流れたけど最近ではまた研究費の流れが復活したりスタートアップが作られているって話。確かにラボで肉が培養できた…

フランスの最近の科学政策

最近、フランスが若手研究者のキャリアや待遇の改善をもりこんだ科学政策を打ち出してきたらしい。若手の研究者を雇用しやすくなると歓迎の声もある一方で、若手に絞るだけではなく全体的に予算を増やすべきとの声も。どこも一緒ですねえ・・・。France set …

アフリカにおける疾病研究の新しい形

アフリカで感染症などの疾病について公衆衛生的な研究を行うことは重要だけれども、グラントの10%をアフリカの科学者の待遇改善や、地元研究施設の設備の充実などに使うように強制することで、アフリカの地元の研究環境が向上するのではないか、ビル・ゲイ…

30年後の低収入人関連する幼少時の因子

カナダで30年にわたって追跡された調査。低所得地域の男児を保育園/幼稚園の教員が測定した行動で、注意力が散漫だとその後の所得が低い。向社会的行動(increase in prosociality)があると収入も高くなる、とのこと。低所得層の出身者が稼げるようになるに…

青年期の心肺能力・BMIとその後の障害発生

もうため息つくしかないデータ。スウェーデンの徴兵時のデータ約100万人を使って、エルゴメーター使った心肺能力、BMIと障害年金の受給データを結合して、青年期の心肺能力とBMIがその後どんな影響を与えるか見ています。障害年金をもらった理由別の解析もし…

青年期の大麻の使用とうつ・不安・自殺リスク

ちょっと前にニュースで話題になったメタアナの結果です。18歳以下の大麻の使用がその後(18-32歳)のうつ・自殺関連のリスクを上げているという結果です。不安については有意な関連はなし。特に思春期に大麻を吸う事で大麻のある成分が脳のレセプターと結び…

にきびへのミノマイシン投与

全然専門じゃない論文なんですけど、最近時々ふきでものができるので、なんとなく手にとって見ました。4人の対象で、どの対象者も10年以上にきびに悩まされている人たち。治療はミノマイシン100mgを日に2回4週間経口投与。4人ともにきびレベルの1.4倍減少(1…

中国人のCVDリスク

170万の中国人のデータを解析したんですってよ・・・。もうそれだけでおなか一杯です・・・・。ちなみに170万のうち約1割がCVDリスクが高かったそうでしかもそのうち3%程度しかスタチンやアスピリンを飲んでないそうです。うーむ、うーむ。男性の喫煙率も高…

アスピリン使用とCVDイベントと出血イベント

一次予防でアスピリン使ったらCVDリスクは減るけど出血系のリスクは増えますよってお話。メタアナに含まれる研究は1000人以上の参加者で参加者はCVD既往無し、少なくとも1年追跡しているもの。最終的に13トライアル、約16万人のデータを使用。参加者の年齢は…

チフスワクチンの第2相試験

ちょっと倫理の話で問題になったのですが、チフスワクチンのトライアル。これ、プラセボとチフスワクチン2種の3群比較なんですが、どうやって効果確かめてるかって実際にチフス菌打ってるんですよね・・・。ありなのそれ・・・?と思ってコメント読んでもぐ…

世界の自殺

ここ数年、Global Burden of diseaseの論文はLancetばっかりだったのですが、最近BMJにも載るようになって、形式が変わってきたのでなんか慣れなくて読みにくいです・・・。これは世界の自殺死亡のデータなんですが、自殺死亡「数」そのものは1990-2016で増…

科学界におけるいじめを禁じる

どうやらイギリスにはほとんどの研究機関でハラスメント(bullying=いじめ)の防止規定があるらしく、アメリカでも機関によっては規定があるらしい。ハラスメントにあったら、何をすべきか?というと、1つは他の人と話すこと。誰かに話さないと経験している…

オピオイド製品のマーケティングとオピオイド過剰摂取死亡の関連

地域相関研究ですが、アメリカの研究。群(County)ごとのオピオイドに関するマーケティング額が上がると1年後のその群のオピオイド過剰摂取関連死があがるそうです。Centers for Medicare & Medicaid Services Open Payments databaseっていう、マーケティ…

乳がん診断から手術までの期間の人種差

非ヒスパニック系の黒人と白人の乳がん診断から手術までの期間と、生存について解析した研究。軍関係の健康保険データだから、社会経済的要因にそんなに差があるとは思えないんだけど、診断から手術までの期間は黒人で有意に長い。でもこの長さだけではどう…

120mmHg以下の血圧コントロールと認知症リスク

SPRINTの結果で、カプランマイヤーみると120mmHgのコントロール強化群のほうが発症リスクが下がっているようにみえるのですが、わずかに有意ではない、と・・・・。軽度認知症と、認知症+軽度認知症の混合ではリスクが下がっているので、そうそう悪い話で…